私の「角栓ループ」脱出記

「角栓は悪玉アクネ菌の巣窟になり、皮脂の酸化やカルボニル化(タンパク質が酸化変性する現象)を引き起こして肌をくすませる。だから早期に除去すべきだ」
美容研究の最前線では、このようなエビデンスが次々と発表されている。毛穴に詰まった角栓を取り除くための画期的な処方技術や、角栓を洗顔で直接崩壊させる洗顔ジェルなどが開発され、メーカー各社が素晴らしい製品を生み出しているのは紛れもない事実。私自身もそうした最新の成分・処方ロジックには強い敬意を抱いているし、一美容オタクとして、日本のコスメ技術の凄まじい進化には日々感銘を受けている。
しかし、その一方で少し考えることもある。 「膨大な研究費と時間をかけて証明されたエビデンスは、もちろん科学的な事実だ。けれど、そのエビデンス通りに角栓を取り続けた結果、人によっては別の肌悩みを抱えてしまうケースもあるのではないか」ということだ。
これほどまでに毛穴研究が進み、優秀なプロダクトが溢れているのに、なぜ私たちはいつまでも毛穴ケア製品を追い求め続けているのだろう。
身も蓋もない言い方をすれば、研究やエビデンスというものはプロダクトの開発、ひいてはビジネスと切っても切れない関係にある。「角栓を取り除いた方が肌に良い」という研究結果は、それを解決する商品を売るための強力な根拠になる。もちろん、企業が多額の予算と時間を投じてエビデンスを構築するのは、画期的な製品を届けるための素晴らしいプロセスであり、それによって私たちのスキンケアが進化しているのは事実。
ただ、研究室で実証される「理論上の最適解」と、個人の肌の上で起きる「リアルな変化」には、どうしてもグラデーションが生じる。角栓を取り続けることで自分の肌バリアが今どんな状態になり、どう反応してしまうのかという日常の泥臭いプロセスまでは、ひとつの論文や商品開発だけでは網羅しきれないのが現実なのである。
今回は、SNSの情報に踊らされて角栓除去に執着し、角栓ループに突入してしまった過去について、そしてそこからいかにして「角栓ループ」を抜け出したのか。そのリアルな全貌をお話ししたい。本記事はエビデンスベースのお話ではなく、仮説や個人的な体験談、主観も含みます。
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- なぜ繰り返し生える?「不全角化」の罠
- 「角栓放置」の引き算ケアと、徹底的なバリア再建
- 2ヶ月間の検証で見えたリアルな結果
- 角栓ケアとの向き合い方
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