その知識、もう古い?ここ数年で大変動したスキンケアの常識【後編】

今なお古いまま、アップデートされにくい美容常識に終止符を。
ななな 2026.09.10
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「マッサージで肌はたるむ」「化粧品は角層までしか届かない」「高濃度であればあるほど効果も高い」調べれば調べるほど思うのは、美容の常識というものは思っている以上に賞味期限が短い。

覆水盆に返らず。割れた卵は元に戻らない。熱力学でいう不可逆過程よろしく、一度進んだ老化もそう簡単には巻き戻せない。ところが美容の世界、不可逆だと思っていたものまで時折ひっくり返る。

それもそのはず。私たちの肌状態を少しでも好転させるべく、各化粧品メーカーの優秀な方々が日々研究に勤しみ、これまで難しかったことを次々と可能にしてくれているのだから。

そして今回、個人的にも「これは意味なし」「むしろ逆効果」とバッサリ切り捨ててきた美容術まで、どうやらひっくり返ろうとしている。

ということで今回は前回に引き続き、そろそろ更新しておきたいスキンケアの常識、後編。

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マッサージでたるむ、この因果関係が狂い始めている

年齢を重ねるごとに、顕著に表れ始めるのがシワやたるみ・ハリ不足。

伸びた皮膚を元に戻そうなんてもってのほか。これは不可逆なのである。薄々とそう感じつつも、その残酷な現実を受け止めきれない私たちに向けて、さまざまなスキンケアや美容医療が発達しうる現在2026年。しかしながら、ハリやたるみをまやかしではなく、本気でなんとかするためには、本格的なケアを施すための大枚が必要だ。だが金も時間もかかる大仕事を前に、そう簡単には腰が上がらない。重くずっしりとしたまま、動けずにいる私たちに降りかかるのがマッサージという部類である。

雑誌を開けば「ほうれい線をなくす」だの、「フェイスラインが引き上がる」だの、この手の手法はいくらでも簡単に、季節関係なく降り注いでくる。これは戦後から変わらないのではなかろうか。(戦後を知らないが、祖母の部屋のいつの時代か分からぬ古い雑誌にも同じようなマッサージ法が掲載されているのを幾度となく見た)

前置きが長くなりました。

言いたいのは、マッサージがたるみやハリに良いというのは物珍しくない情報であります。しかし、顔の皮膚に圧を加えて引っ張ったりするこの行為自体が、逆にハリやたるみの原因になるという説も濃厚なのです。つまりは不可逆的行為。というのも、肌の弾力を司るのがコラーゲンやエラスチンなどの繊維たち。これを引っ張ればどうなることかは想像通り、逆にきれてしまったり伸びたりする危険があるのです。=たるむ。

だから私自身もここ数年、シワ改善にマッサージは逆効果・意味ない、と切り捨てて生きてきました。ところが、その事実が覆るかもしれぬという新研究が飛び出たのである。出所は天下の資生堂。

2026年7月、資生堂が発表した新たなたるみ研究。長年ハリ・弾力研究を行ってきた江連フェローらの研究チームが、肌のハリ常識にまたもや一石を投じたのである。(フェローって外国の方?と思いきや専門職の役職・称号のようです。恥ずかしい、誰にも聞かなくてよかった)

これまで、たるみといえば加齢によって皮膚の弾力が失われ、重力に負けて下へ落ちていくのでは?という見解がありました。ところが資生堂が顔の皮膚を立体的に解析したところ、皮膚内部に「リングコラーゲン」なるリング状のコラーゲン構造が存在することを発見したのであります。

資生堂

資生堂

このリング一つ一つには内側へ収縮する力が発生しており、さらにリング同士が互いに引き合うことで「張力」が生まれる。この張力が顔全体を包み込み、皮膚を顔の形状にぴたりと張りつかせることで、たるみのない状態を維持しているというのである。

つまりこの引き合う状態を保てば、たるみから解放されるのでは?じゃあどうする?ということでその張力を支えるのが、私たちの肌内部に存在するプロテオグリカンという物質であることがわかった。加齢によってプロテオグリカンが減少するとリングコラーゲンの構造が乱れ、張力も低下。それがたるみへつながることが分かったのだ。

そして本題はここから、資生堂が培養した皮膚にさまざまな刺激を与えて調べたところ、なんと皮膚へ適度な物理刺激、具体的には全方向へストレッチを加えることで、リングコラーゲン内部のプロテオグリカンが増加。さらにリングコラーゲンの構造と、たるみの改善につながることまで確認されたというのである。つまりですね、新作クリームのメソッドには顔をマッサージして塗れと公式にて、大々的に言っているのです。

資生堂

資生堂

マッサージ厳禁派だったわたしもひっくり返る。え、大丈夫?たるまない?悪化しない?大丈夫?と言う感じで。これまで「マッサージすると血行が良くなる」「表情筋がどうのこうの」と、どこか曖昧に語られることも多かった顔のマッサージに対し、皮膚への適度な物理刺激が、たるみに関わる皮膚内部の構造へ影響するという明確な研究結果が出てきたのである。

一方で、だからといって今日から顔を力いっぱい揉みしだけばいいという話でもない。「適度」というのがまた難しいところではあるが、兎にも角にも、適度なマッサージはどうやらたるみに良いらしい、という新たな側面が出現したのである。

では、どれくらいの強度・頻度が効果的で、どこからが逆にデメリットとなりうるのか。このあたりは、今後さらに詳細な研究が進むことを待ち望んでいる。こんな感じで今の常識が覆るなら、そのうち「肌は乾燥させた方がバリア機能が高まる」なんて研究まで出てくるやもしれぬ。これだから美容は面白い。

化粧品の浸透=角質層まで → それは広告表現の話

スキンケアを極め始めると、かならずこの議論にぶち当たります。化粧品は角層までしか浸透しないから、投資してもお金の無駄だよ、化粧水意味ないよ、説。

だからスキンケアはプチプラで十分なんだ、だって角層までしか届かないから。私も当初はこういう説を信じていた時代もありました。では角層ってなんなんでしょう?スキンケアの効果ってなんなんでしょう?

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