大手メーカーも出す「幹細胞コスメ」は買い?成分から選び方まで大解剖
幹細胞コスメに疑問を抱く全ての人へ。
幹細胞、という言葉自体がまず難しく、それを理解しようと様々な媒体を駆使して情報を集める中で必ず出てくる「怪しい」「効果が無い」「エビデンス不足」といったグレーなワード。幹細胞コスメ自体には、様々な肌トラブルに多方向からアプローチする期待が詰まった成分ではあるものの、その良さやメカニズムをさらっと一言で説明しきれないが故に生まれる誤解も非常に多いという現実。今回は化粧品成分の中でも特に難解、かつ誤解の生まれやすい幹細胞コスメの正しい知識や選び方についてお届けしたい。
※本記事は、株式会社ナチュレジャパンと theLetter (株式会社OutNow)と「買わなくていいもの。やらなくていいこと。」の認知拡大を目的とした共同企画・コラボレーションです。三者間で金銭的なやり取りは一切ございません。著者は「Ooka iP Skinシリーズ」のギフティングを受けております。
対談のお相手:ナチュレジャパン
ナチュレジャパン 代表 橋本:ナチュレジャパンの橋本と申します。本社は渋谷にあってDtoC事業を主に行っております。もともとサプリメントの販売から始まった会社ですが、内側からの美容だけでなく、外からも綺麗にするものであるスキンケアに着目をして、最近はコスメブランドの開発と運営も行っております。
なななさん、「買わなくていいもの。やらなくていいこと。」の読者さん、よろしくお願いいたします!
美容医療、コスメなどでもよく聞く「幹細胞」とは、なぜ理解しにくい?
ななな:最近幹細胞コスメという言葉をよく聞くのですが、正直、一体どういった成分でどのような効果があるのかよくわからないんです。なぜ幹細胞コスメはこれほど理解しにくいのでしょうか?
ナチュレジャパン:幹細胞コスメが理解しにくい理由は主に3つあります。
まず1つ目は、「幹細胞」自体が比較的新しい科学分野だということです。一般の方にとって、細胞生物学は馴染みが薄く、特に幹細胞となるとさらに難しく感じてしまいます。
2つ目は、幹細胞にも種類があるということです。美容に応用されるものは、大きく分けて「ヒト幹細胞」と「iPS細胞」ですが、この違いが分かりにくいんです。ヒト幹細胞は人の体から直接採取されるのに対し、iPS細胞は人工的に作られた多能性幹細胞です。
3つ目は、特許などの規制の違いです。ヒト幹細胞はヒトの体の中にあり、美容に使用する場合は採取や利用に規制が少なく、美容クリニックなどの自由診療などで使用されることもあります。一方、iPS細胞は作成自体に複数の特許技術が関わっており、誰でも簡単に作成や利用することはできず、再生医療業界の基準に基づいて厳格に管理されているので、情報に触れる機会が少なくなっています。
ななな:なるほど。種類の違いや法規制まで関わってくるんですね。2種類あるという幹細胞ですが、化粧品に使われる幹細胞って安全なんでしょうか?
ナチュレジャパン:化粧品に使用されているのは幹細胞そのものではなく、幹細胞を培養した際の上清液です。特に当社で採用しているiPS細胞の培養上清液については、iPS細胞の作製・培養過程が厳格に管理されており、高い安全性を持っています。
iPS細胞の培養上清液については、癌化を防ぐ安全なiPS細胞作製技術を持つ上場企業が開発と原料化に取り組んでおり、この作製特許技術は世界の名だたる再生医療研究を行う研究所や大手製薬会社などにも採用されています。この取り組みから化粧品で使われるiPS細胞培養上清液が流通しています。弊社もこうした取り組みの中で原料を調達しております。
ななな:iPS細胞と美容医療で使われるヒト幹細胞との違いはどこにあるんですか?
ナチュレジャパン:ヒト幹細胞とiPS細胞には、いくつかの大きな違いがあります。
まず安全性です。iPS細胞は作製に特許技術が応用されており、医療基準の厳格な管理下で作られるものが現在主として流通している一方、ヒト幹細胞は調達や培養が特に厳密にコントロールされていないものも市場に流通しており、品質や安全性に懸念が生じることがあります。
つぎに安定供給ができるという側面です。iPS細胞の作製技術はそもそもがノーベル賞が贈られるほどの画期的な技術です。iPS細胞は無限に増える性質があります。微量の血液から作ることができるため、もととなる血液を少量保存しておくだけで増やし続けることができます。一方、ヒト幹細胞は多くの人から採取してくるので、同じ人から安定的に入手しつづけることはiPS細胞と比べ難しいと考えられます。
ななな:なるほど。品質、安全性だけでなく、安定供給という側面でもiPS細胞は特徴的ですね。でも、そんなに良いものなら、なぜもっと広く使われていないんでしょうか?
ナチュレジャパン:それには主に2つの理由があります。
1つ目は、コストです。iPS細胞の作製と培養には高度な技術と設備が必要かつ限られた施設でしか作成できないので、生産コストが高くなり、製品の価格も高くなってしまいます。
2つ目は、法規制による表現の制限です。化粧品の効能効果の表現には厳しい規制があり、iPS細胞培養上清液の優位性を直接的に訴求できません。そのため、消費者の皆さんに特徴を理解してもらいにくいという課題があります。
とはいえ、iPS細胞培養上清液の潜在的な可能性は非常に高いので、今後、技術の進歩とともにコストダウンが進み、より多くの人々が使えるようになることを目指しています。
細胞にもグレードがある?iPS細胞コスメについて
ななな:iPS細胞コスメについて、もう少し詳しく教えていただけますか?レチノールやビタミンCなど、他の有名な美容成分と比べてどうなんでしょうか?
ナチュレジャパン:iPS細胞培養上清液は、レチノールやビタミンCと比べると、複数の作用を同時に持っているので、より包括的なアプローチができます。
iPS細胞コスメの主成分であるiPS細胞培養上清液は、様々な成長因子やサイトカイン、そしてエクソソーム(細胞の中で作られる球体。「脂質でできたカプセル」)が含まれています。細胞が隣の細胞に情報を伝達するために、細胞はエクソソームを作ります。iPS細胞由来のエクソソームの中には情報伝達物質や肌に潤いを与える成分が詰まっていると言われております。
そうした理由で、敏感肌やトラブル肌にも優しい傾向があります。実際、製品を使用したお客様からも、肌の調子が良くなったという声をたくさんいただいています。
ななな:なるほど、複数の効果が期待できるんですね。でも、 iPS細胞培養上清液を活用した「iPSスキンケアコスメ」はなぜ包括的なアプローチが期待できるのでしょう?
ナチュレジャパン:まず、細胞の培養上清液はどれも同じではないのです。流行中のヒト幹細胞コスメ、エクソソームコスメはその名の通り、ヒト幹細胞由来原料から作られます。細胞のレベル感だけで原料の優劣が決まるわけではないですが、iPS細胞とヒト幹細胞は幹細胞としての能力・ランクに確固たる上下関係が存在します。
細胞の「万能性」という観点で比較します。こちらの図にあるように、我々の身体にある細胞のほとんどは「体細胞」でできています。その上位に位置する「ヒト幹細胞」は身体にごく一部しかない、新しい細胞の生まれ変わりや再生を促進してくれる細胞です。そのさらに上位に位置するのが他の細胞の大元となる受精卵であり、iPS細胞は受精卵の人工版とも言える立ち位置です。
そして、iPS細胞を培養した上清液を化粧品に応用し製品化したのが弊社の「Ooka iP Skinシリーズ」です。
気になる「iPSスキンケアコスメ」使用感
ななな:いただいた「Ooka iP Skinシリーズ」実際に使ってみたんですが、思った以上にサラサラしているのに保湿力が高いのが印象的でした。香りもいいですね。
Ooka iP Skinシリーズ:https://ooka-ips.com/lp?u=W6eBkrhA
私は乾燥肌なので、保湿に関しては特に成分にこだわりをもって選んでいるのですが、想像を超える保湿力でした。
ナチュレジャパン:高い保湿力を維持しながらべたつきが少ないテクスチャーに仕上げるのは、開発段階で最も苦労した点の一つなので、うれしいですね。
美容液をシャバシャバにしすぎると、化粧水のように保湿感が弱くなります。かといって、粘り気が強すぎると使用感が悪くなります。そこで何十回も試作を重ね、肌に残る感じはしっかりとありながらべたつかないテクスチャーを目指し、とろみと保水と保湿力のバランスを取るのに1年半以上かかりました。
香りもこだわり、合成香料は一切使用せず、エッセンシャルオイルをベースにして、日本の森林をイメージしたアロマオイルをブレンドした「植物由来オリジナルアロマブレンド」を配合しています。また、リンゴのハーブウォーターも使用しているため、わずかにフルーティーな香りも感じられると思います。森林浴をイメージしていただけると嬉しいですね。
香りの強さについても、使用する方々の好みに配慮しています。強すぎず、でも使っている実感が得られる程度を目指しました。
ななな:なるほど。確かに、森林系の自然な香りでした。私は香料が苦手で強い香りのスキンケア製品は避けてしまうんですが、香料が苦手な人にもおすすめできそうです。
敏感肌への影響はどうでしょうか?私自身も敏感肌なので気になります。
ナチュレジャパン:iPS細胞培養上清液は、肌への刺激が非常に少ないので、敏感肌の方にも安心して使っていただけます。