“美容っぽい粉”の幻想とリアル―選ぶべき粉・見送るべき粉(後編)

前編では、スキンケアパウダーの定義や処方の違い、そして落としやすさにまつわる実態を解説した。そこで見えてきたのは、「スキンケア」と名がつきながらも、実際には一般的なフェイスパウダーと変わらない中身の製品が少なくないという事実である。なかには石けんオフをうたいつつ、クレンジングなしでは落とし切れない“名ばかりスキンケアパウダー”も存在した。
今回の後編では、その知識を踏まえ、市販で人気の5アイテムを成分・使用感・落としやすさの3軸で徹底比較。「選ぶべき粉」と「見送る粉」を具体的に示し、自分の肌質やライフスタイルに合った一品を見極めるための指針とする。名ばかりスキンケアに惑わされないための実践編として。
買わなくていいもの。やらなくていいものでは、おすすめ!ばかりで溢れかえる美容情報の中で日々、取捨選択に手を焼く私たちが自分のお肌に本当に必要もの・不必要なものを棲み分け最終的に自分のお肌に合った化粧品に辿り着けるよう、自身の経験と成分知識を元に、逆に買わなくていいもの。やらなくていいこと・に焦点を当てた記事をお届けしています。
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エテュセ スキンケアパウダー

エテュセ
スキンケアパウダーといえばSHISEIDOやIPSAが有名だが何せ価格がやや高め。ちょっと勿体無いのでもう少し手が届きやすいものを・・・という方が辿り着くのがエテュセではないだろうか。
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アルコール・パラベン・パール剤・タール系色素・香料フリー
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アレルギーテスト・ノンコメドジェニックテスト済
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7g-¥2,640
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レフィルあり
毛穴やくすみを自然にぼかしながら、テカリを抑えて透明感のある肌に整えるスキンケアパウダー。日中の仕上げにも、夜のスキンケア後にも使える24時間対応設計。洗顔料で落とせるやさしい処方で、敏感肌やライトメイク派にも向く。
成分特徴

柔らかでなめらかさのある粉体成分:タルクを主軸とし、ホウケイ酸(Ca/Al)やシリカなどの粉体を組み合わせた設計。シリカは皮脂を適度に吸着するが、高配合ではないため、皮脂吸着力よりも粉っぽさを抑えた質感を優先したバランス型となっている。
粒子表面にはラウロイルリシンやステアリン酸Mg、ミリスチン酸Mgなどの金属石けん・アミノ酸誘導体をコーティングし、肌へのなじみと均一なフィット感を高めている
保湿面では、アセチルヒアルロン酸Naとヒアルロン酸NaのWヒアルロン酸に加え、アルガンオイル・月見草油・ホホバ油といったエモリエントオイルを配合。これにより、粉体特有の乾燥感を軽減し、肌表面にうるおい感を残す。ただしスキンケア効果の中心はあくまで保湿であり、美白や抗炎症といった機能性は限定的。
結果として、エテュセ スキンケアパウダーは「軽く付着して軽く落ちる」設計を持つ、保湿寄りのフェイスパウダーである。強力な皮脂吸着や化粧持ちを狙った一般パウダーとは異なり、夜用や休息日メイクに適した、肌負担の少ない処方になっている。
総評(有無判定:あり)

保湿系成分とエモリエントオイルがバランスよく配合され、「ゆる付着設計」で泡洗顔のみでも落としやすい。皮脂吸着成分は控えめで、乾燥肌や敏感肌にも向く。スキンケア効果といっても基本は保湿中心であり、美白や抗炎症などの効果は期待できないため、“価格通り”の内容と言える。 ナイトパウダーや休息日メイク用としては十分に使える。
とりあえずスキンケアパウダーってどんなものか試してみたい、そんな初心者ユーザーが選ぶべきパウダーとして申し分ない役割を果たすだろう。