まだ信じる?科学的に根拠不明のSNS美容法をぶった斬る

SNSで拡散される“奇跡の美容法”。飲めば痩せる、塗れば消える、当てれば小顔――そんな夢のような謳い文句が、科学の世界ではどこまで通用するのか?エビデンスをもとに、根拠ゼロの美容神話を一刀両断する。
買わなくていいもの。やらなくていいものでは、おすすめ!ばかりで溢れかえる美容情報の中で日々、取捨選択に手を焼く私たちが自分のお肌に本当に必要もの・不必要なものを棲み分け最終的に自分のお肌に合った化粧品に辿り着けるよう、自身の経験と成分知識を元に、逆に買わなくていいもの。やらなくていいこと・に焦点を当てた記事をお届けしています。
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飲んで痩せるサプリ系

ダイエットに関しての体重変化は、消費カロリーと摂取カロリーの差で決まる(1)。これ以上シンプルな話はない。摂取カロリーより消費カロリーを減らせば痩せる。それだけ。逆に言えば、それ以外の抜け道はない。
1kgの脂肪を減らすには、およそ7,500kcalの赤字が必要と言われている。つまり日々の運動習慣でご飯茶碗小盛り約40杯分を“なかったことに”しない限り、体重計の針はびくともしない。ここに「飲むだけで痩せるサプリ」が入り込む余地はない。(PS.食べずに痩せようとすると筋肉が分解され、代謝が落ちて身体が逆に脂肪を温存するようになり、痩せにくいどことか結果的に体重が減ってもメリハリのないなんとも言えない身体になるので注意)
それでも市場には夢が溢れている。 「食物繊維が糖の吸収を抑える」と謳うキトサン。エビデンスはあるものの乏しいに尽きる。2008年の研究では、半年でたった0.6kg程度しか体重が減らなかったというなんとも微妙な結果(2)が出ている。
「脂肪を燃やす」とアピールするL-カルニチン。これまた、運動しない人に飲ませても効果は出にくい。つまり、“走る人が飲んだらちょっと効くかもしれない”程度(3)(4)。だったら普通に走れ。
サプリを飲んで痩せる夢を追い続けるのは自由だが、まずは冷蔵庫のアイスを捨てる勇気を持った方が、よほど現実的に痩せる。
UVカットパウダーで日焼け止め

メイクの上から“サラッと重ねるだけで紫外線をカットできます”。――SNSや広告でよく見るフレーズだ。なるほど、粉をはたけば日焼け止めが完成するなら、あんなベタベタした日焼け止めを必死に塗り直す必要なんてない。夢のようだ。
だが残念ながら、パウダーだけで日焼け止めを成立させるのは非現実。なぜなら、紫外線防御は“何を塗ったか”と同時に“どのくらい塗れたか”で決まるからだ。SPFやPAは、きっちり規定量「2 mg/cm²」、グラムにすると約0.8gを塗って初めて出る数字(5)。パウダーをその量、顔全体に均一に塗れるだろうか?答えはノー、粉だらけになり外を歩けないレベルかつ、構造上、隙間だらけで完全な防御は不可能。
じゃあパウダーは無駄なのか?と言えばそうでもない。 本来の役割は「メイク直し+おまけでUV防御」。ベースにきちんとSPF30以上のクリームや乳液タイプを仕込んだうえで、日中の塗り直し補助としてなら理にかなっている。